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研究内容

1)形態学的研究(皮膚病理組織学、電子顕微鏡)

  一般皮膚病理組織学手技、免疫組織化学的手技、電子顕微鏡(電顕)的手技を駆使して皮膚疾患の病態に迫ります。
  ”Sclerotic fibroma”は膠原線維の特異な増加パターンが特徴ですが、我々は電顕的に、血管周囲の平滑筋細胞が次々と線維芽細胞様細胞に分化集積し、膠原線維を産生することにより特異な病理組織パターンを描くことを明らかにしました。”Atypical fibroxanthoma”は分化方向のはっきりしない、悪性線維性組織球種(MFH)の浅在型と考えられていますが、我々は電顕的、免疫組織化学的に、筋線維芽細胞への分化を示すことを明らかにしました。リュープロレリンは前立腺癌に欠かせない治療薬ですが、皮下注射した場合肉芽腫を作ることが問題になります。我々は電顕的に検討し、薬物に対する単なる異物肉芽腫ではなく、脂肪組織の薬物による変性をも巻き込んだ複雑な肉芽腫であることを明らかにしました。
  これらは我々の形態学的研究の一端に過ぎません。今後も種々の形態学的手技を駆使して、様々な疾患の病態を明らかにしていきます。



Sclerotic fibroma の特徴的な木目模様 □ リュープロレリン肉芽腫の電顕像
”Sclerotic fibroma”の特徴的な木目模様 リュープロレリン肉芽腫の電顕像
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2)ダーモスコピー

  ダーモスコピーも皮膚科診断に欠かせない形態学的検査の一つですが、教室の研究対象の大きな柱です。”Lipomatous neurofibroma、Mixed tumor of the skin、Gouty tophusTeleangiectatic metastatic skin carcinoma”のダーモスコピー像について貴重な報告を行いました。現在悪性黒色腫や色素性母斑のダーモスコピーと立体構築との関係を明らかにしつつあります。



悪性黒色腫のダーモスコピー像 □ 表皮真皮境界部の母斑細胞巣の走査電顕像
悪性黒色腫のダーモスコピー像 表皮真皮境界部の母斑細胞巣の走査電顕像

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3) 工業用ナノ材料の生体影響

  現在ナノ材料は、日常生活に欠かせないまで世の中に広まっています。過去のアスベストの例を出すまでもなく、新規の工業用物質については、健康障害評価を行わないままで安易に応用されるべきでない、ということが強調されています。我々は、皮膚への二酸化チタンナノ粒子の影響を、主に形態学的側面より検証しています。今のところ、経皮吸収は証明されていません。



二酸化チタンナノ粒子暴露後の病理組織像 □ 電顕的EDX分析でのチタン信号検出(矢印)
二酸化チタンナノ粒子暴露後の病理組織像 電顕的EDX分析でのチタン信号検出(矢印)

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4)非結核性抗酸菌症

  ”Mycobacterium ulcerans subsp. Shinshuense”という抗酸菌による”Buruli”潰瘍という疾患があります。かつて日本にはほとんど見られなかった疾患ですが、世界的にみて最も多い非結核性抗酸菌症で、結核、ハンセン病に次ぎ3番目に多い抗酸菌感染症です。当科では山陰での初症例を報告しました。その後もまれな抗酸菌感染症が相次ぎ、他施設のご協力のもと診断、治療、報告をしています。



Mycobacterium ulcerans subsp. Shinshuense による非結核性抗酸菌症 病理組織像 □ Mycobacterium ulcerans subsp. Shinshuense による非結核性抗酸菌症 チール・ニールセン染色
”Mycobacterium ulcerans subsp. Shinshuense” による非結核性抗酸菌症(左:病理組織像、右:チール・ニールセン染色)

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5) 皮膚真菌感染症

  日本では現在皮膚真菌症研究を手がけている教室は非常に少ないのが現状です。当科には真菌研究室があり、全国的にみても真菌培養の出来る数少ない教室です。
  培養以外に、臨床材料を用いた研究も行っております。鱗屑内の寄生形態を走査電顕的に世界で初めて明らかにしたのも、その一端です。



原発性皮膚アスペルギルス症の病理組織像 □ T. rubrum培養菌糸の走査電顕像
原発性皮膚アスペルギルス症の病理組織像 ”T. rubrum”培養菌糸の走査電顕像

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6)皮膚癌の研究

  皮膚癌の中でも極めて予後の悪い悪性黒色腫の画像診断の有用性に関する研究や電子顕微鏡を用いた研究を行っています。
  また乳房外パジェット病は我が国に多く欧米に少ない、しかし全体としては稀な皮膚癌ですが、病理組織学的な特徴と予後との関連や、再発を早期に発見するための新規腫瘍マーカーについての研究を行っています。
  またメルケル細胞癌は稀な皮膚悪性腫瘍で、最近の話題はメルケル細胞癌ポリオーマウイルスの関与ですが、我々の教室では分子病理学教室と共同でウイルス陽性例と陰性例における病理組織学的、生物学的な違いについて研究を行い、免疫組織化学的所見や癌抑制遺伝子の変異に差異があることを確認しました。今後も症例数を増やして研究を進めていく予定です。



乳房外Paget病の病理組織像 □ メルケル細胞癌の電顕像
乳房外Paget病の病理組織像 メルケル細胞癌の電顕像

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7)神経線維腫症I型の研究

  神経線維腫症I型について、吉田が中心となり厚生労働省研究費補助金(難治性疾患克服事業)/神経皮膚症候群研究班の一員として、早期診断のためのバイオマーカーや皮膚病変の治療について研究を行っています。


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8)日光黒子の研究

  日光黒子(老人性色素斑)は、いわゆるシミの代表ですが、意外にもその発生病理は解明されておらず、その研究もほとんどが表皮をターゲットとしています。我々は病理組織標本での表皮真皮境界部の変化と真皮メラノファージに注目し、免疫組織化学、走査電顕を駆使して新知見を多数例で確認し、現在投稿中です。今後分子生物学的手法やモデル動物を用いて、さらに研究範囲を広げていく予定です。



日光黒子の病理組織像 □ 日光黒子表皮直下メラノファージ電顕像
日光黒子の病理組織像 日光黒子表皮直下メラノファージ電顕像
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